2022.04.01
建築会社のファイル共有システム
今回は、建築の話とはあまり関係ありませんが、困っている方が多いと思いますので、ファイルデータの共有システムのお話をしたいと思います。
大企業で、IT担当社員がいる場合は問題ありません。
ところが、当社のように専任担当者のいない規模の企業の場合、共有データの管理はトラブルが起きると非常に問題となります。
中小規模の工務店や建築会社向けに、共有データシステムについてご紹介したいと思います。
従来のNAS体制
当社ではデータのほとんどを、ファイル共有システム上の各システムに保存して電子化を進めています。
物理的な容量の圧縮は目的のひとつですが、一番は検索ができること。
どんな工事を過去に施工したか、即座にデータを得ることが出来ます。
当時の建築図面や写真を、簡単に検索できるのは大きな強みです。
また、顧客管理システムと連携することで、お客様から相談があったときに、過去の履歴をすぐに参照することもできます。
こうしたデータ共有を、かつてはNASで行っていました。
この記事をご覧になっている方は既にご存知だと思いますが、NASとはネットワークに対応したHDDです。
すべてのパソコンからアクセスできるNASを作ることで、共有フォルダを作っていました。
NAS最大の問題は、いきなり故障することがあり、しかも自分では復旧が困難ということです。
当社でも2度データの損失が発生し、データ復旧会社に依頼したりと都度手間が発生しました。
とくに、お金よりも、復旧にかかる何週間もの時間で工事に影響が出たのが大問題でした。
2度目に購入したバッファロー製のNASが3年で故障した際、根本的な解決策を考えようということになりました。
クラウドストレージ
ということで、NASの代替品としたのがクラウドストレージです。
クラウドストレージとはインターネット上にファイルを保管できるサービスです。
Google drive、 One drive、 Dropbox、 Boxといったものが有名です。
当社でもクラウドストレージとして使い、バックアップとしてデータを外付けHDDに保存しています。
クラウドストレージのサービスの不具合というのは無い訳ではありません。
しかし、データの消失といった大規模な不具合は稀です。
少なくとも、自社でNASを構築するより、ずっとリスクが低いという判断になりました。
ちなみに、副次的なメリットですが、複合機と連携することで受信したFAXを特定のフォルダにPDFに電子化して保存することができます。
転送機能付きの複合機が必要になりますが、最近の機種はほとんど対応しています。
この業界はまだまだFAXで連絡をする傾向が強いです。
とくに、年配の職人さんだとメールアカウントも持っていないことがあるので、電子化はたいへん便利です。
NASのデータ消失障害でお悩みの方は、こういった解決方法を試すのもよいかもしれません。