2024.07.05
新築住宅価格|4年で1500万円上昇
注文住宅の価格が1500万円UP!
2022年度の国土交通省の住宅市場動向調査により、注文住宅(土地+建物)の取得費用が5436万円まで上昇したことが分かりました。
2018年度は3971万円であったことを考えると、4年間で実に1500万円も値上がりしたことが分かります。
上昇要因① ハウスメーカーの高付加価値戦略
2024年の住宅着工統計によると、一般的な木造住宅の場合、総工費は2731.9万円であるのに対し、プレハブ住宅は3899.5万円となっています。
プレハブ住宅は、ハウスメーカーでは積水ハウス・大和ハウス工業・パナソニックホームズ・ミサワホーム・セキスイハイム等が採用している工法で、工場で作ったユニットを現場で組み上げるやり方です。
プレハブ住宅は、基本的に大手ハウスメーカーしか採用していない工法であり、プレハブ価格の上昇はハウスメーカーの価格の上昇を示しています。
ハウスメーカーは少子化による着工数の減少に対し、一棟あたりの価格を上昇させる戦略をとっています。
耐震性・耐水害性・断熱性能を高めて、新しい付加価値を作り出しているため、結果として大手ハウスメーカーの住宅価格は上昇していると言えます。
上昇要因② 資材の高騰
建設物価調査会が公表している「建設資材物価指数」によると、2023年9月の木造住宅は、2015年平均値の1.3倍に上昇しました。
RC(鉄筋コンクリート造)は1.4倍という数値になっています。
原因としては、住宅の材料となる材木やアルミ、コンクリートといった素材が、全て値上がりしていることです。
特に木材価格の大幅な上昇はウッドショックと呼ばれ、合板が不足して工事に遅れが出る事態も発生しました。
上昇要因③ 省エネ性能の向上
独立行政法人住宅金融支援機構のフラット35住宅仕様実態調査によると、寒冷地だけでなく温暖地も省エネ化が進んでいることが分かります。
たとえば、2017年の調査結果では高性能グラスウールは全体の6割しかなかったのに対し、2023年では9割近くを占めています。
当社でも住宅の場合、高性能グラスウール16kを標準使用しますが、こちらも2023年では全体の32.7%の利用率と拡大しつつあります。
高性能グラスウールを使用することで、高い断熱等級を満たす住宅が増えているといえます。
まとめ|新築高価格化の時代において
国土交通省の住宅市場動向調査によると、注文住宅を取得した方の世帯平均年収は、2018年は705万円だったのに対し、2022年は801万円であり、4年間で100万円上昇していることが分かります。
これに対し、極小住宅や平屋といった手法により、総工費を抑える取り組みもありますが、限定的な解決策といえるでしょう。
一人当たりの住宅面積が狭くなってしまうため、子育て世帯においてはスペースが狭いという問題につながることがあります。
そんな中で、中古住宅をリノベーションして新居とするスタイルは、住宅面積はそのままに総工費を大きく抑えることが可能となるため、今後ますます増加していくことが予想されます。